資産形成で失敗しないための”お金の心理学”。書籍『サイコロジー・オブ・マネー』

投資
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この記事はこんな人に役立ちます

・書籍『サイコロジー・オブ・マネー』がどんな本か知りたい
・将来のためにお金を貯めたい
・資産形成で失敗したくない

お金の問題というのは、人生の中で必ずと言っていいほど私たちの前に立ちはだかります。

結婚や出産、家や車の購入、子どもの学費等々、お金が多額のお金が必要となる場面は人生でいくつもあり、そういった場面に備えて資産形成に励んでいる人は多いと思います。

これから資産形成を始めようと考えている方もいるでしょう。

あるいは、”お金に不自由することなく生活する”、”仕事をやめ、好きなことをして生きていく”など目標のために資産を築いている方もいると思います。

私自身も、将来お金で不自由することがないよう、日々資産形成に勤しんでいる人間の一人です。

今の時代、多くの資産を築いた方々が、書籍やブログ、YouTube等で

・資産形成の基礎知識
・どのように資産を築いてきたか
・どんな投資をするのが良いのか

など、様々な情報を発信してくれており、資産形成に必要な知識を学ぶことに困ることはありません。

しかしながら、お金とうまく付き合っていくには”知識”だけでは十分ではありません。

お金に関する豊富な知識を持ち、大金を稼いでいる人であっても、欲望を制御できずに散財し続けていれば、いずれは破産してしまいます。

つまり、お金とうまく付き合い、資産を築いていくには、”感情のコントロール”も重要になってきます。

お金絡みで感情をコントロールできるようになるには、

・お金関連で、我々人間の感情がどのようなときに、どんな変化をするのか
・お金に関して、自分あるいは他人がどんな考えを持っているのか

などの、”お金の心理学”を学んでいく必要があります。

そして、この”お金の心理学”については、書籍『サイコロジー・オブ・マネー』にまとめられています。

この記事では、『サイコロジー・オブ・マネー』を読んだ感想や、本書の内容のうち私が特に重要だと感じたことについて紹介します。


『サイコロジー・オブ・マネー』の概要

書籍タイトルサイコロジー・オブ・マネー
―一生お金に困らない「富」のマインドセット
著者モーガン・ハウセル
翻訳者小島 修
発行日2021年12月7日
出版社ダイヤモンド社
ページ数277ページ
価格1870円(単行本、2024年4月23日時点Amazon価格)
1515円(Kindle版、2024年4月23日時点)

サイコロジー・オブ・マネー

はじめに

第1章 おかしな人は誰もいない
―あなたがこれまでに経験してきたことは、世界で起こった出来事の0.00000001%にしか相当しない。しかし、それはあなたの考えの8割を構成している

第2章 運とリスク
―何事も、見かけほど良くも悪くもない

第3章 決して満足できない人たち
―お金持ちがとんでもないことをしでかすとき

第4章 複利の魔法
―ウォーレン・バフェットの純資産の95%以上は、65歳以降に得られたもの

第5章 裕福になること、裕福であり続けること
―良い投資とは、一貫して失敗しないことである

第6章 テールイベントの絶大な力
―5割の確率で失敗しても、富は築ける

第7章 自由
―お金から得られる最高の配当とは、「時間」をコントロールできるようになること

第8章 高級車に乗る人のパラドックス
―誰も持ち主には関心を示さない

第9章 本当の富は見えない
―裕福さの誇示は、富を減らす一番の近道

第10章 貯金の価値
―あなたが唯一コントロールできることが、一番重要なメリットをもたらす

第11章 合理的v数理的
―冷徹な数理的思考より、おおまかな合理的思考がうまくいく

第12章 サプライズ!
―歴史とは、未来を予測する地図ではない

第13章 誤りの余地
―もっとも重要な計画は、計画通りに進まない可能性を想定した計画である

第14章 あなたは変わる
―長期計画は見かけよりも難しい

第15章 この世に無料のものはない
―代償を払わずにリターンを得ようとする”泥棒”になってはいけない

第16章 市場のゲーム
―「別のゲーム」をしているプレイヤーから学んではいけない

第17章 悲観主義の誘惑
―悲観論は楽観論よりも賢く、もっともらしく聞こえる

第18章 何でも信じてしまうとき
―なぜストーリーは、統計データよりも強力なのか

第19章 お金の真理
―あなたが本書で学んだこと

第20章 告白
―私のサイコロジー・オブ・マネー

謝辞

訳者あとがき

原注

『サイコロジー・オブ・マネー』を読んだ感想

まず結論として、「資産形成をするなら絶対に読んでおくべき本だ」と感じました。

投資や資産形成に関する書籍は、自分がとっている投資・資産形成の戦略によっては、読んでも全然参考にならないといったこともあるのですが、本書は”資産形成の具体的な方法”ではなく、”資産形成をしていくうえでの考え方、心の持ちよう”についてまとめられているため、資産形成の戦略がどんなものであっても役立つのが非常に良い点かと思います。

投資に限った話をすると、短期投資、長期投資、分散投資、集中投資、配当狙い、値上がり狙いなど、自分がどんな戦略をとっていたとしても、何かしら本書から得るものはあると思います。

書かれている内容の難易度については、私はそんなに難しくないと感じました。

ただ、投資や資産形成などについての基礎知識がなく、これから勉強しようとしている人にとっては要所要所で理解が追い付かない部分もあると思いますので、他の書籍等で資産形成の基礎を学んでから本書を読んでいただいた方が良いかと思いました。

ちなみに、資産形成の入門書としては『本当の自由を手に入れる お金の大学』が、非常にわかりやすくオススメです。

↓の記事で紹介もしていますので、ご興味があればご覧になってみてください。

要約:投資や資産形成をしていくうえで大事になる考え方

ここでは、『サイコロジー・オブ・マネー』にまとめられている、”投資や資産形成をしていくうえで大事になる考え方”のなかから、私が特に重要だと思ったことを5つ紹介します。

①投資で絶対に避けたいのは、市場からの退場

まず、投資や資産形成をしていくうえで、”お金を得ることと、それを維持することは全くの別物である”ということを理解しておくことは非常に重要です。

資産を増やすために株式などへの投資を行う人は多く、私自身も株式投資を行っている人のうちの一人です。

そして、投資をしていくうえでは、”生き延びる”という考え方が重要になります。

その理由は下記の2つです。

1.自分の身を削ってまで得る価値などなきに等しい
2.複利の効果がある

それぞれについて簡単に解説します。

1.自分の身を削ってまで得る価値などなきに等しい

投資で大きな利益を得るためには、それに伴ったリスクを取る必要があります。

しかし、お金を維持する(生き延びる)には、それとは正反対にできるだけリスクを負わないことが必要になります。

破産しかねない大きなリスクを取り、自分の身を削りながらも一発逆転の大きなリターンを狙うような投資は、もはや資産形成ではなくギャンブルです。

2.複利の効果がある

投資の勉強を少しでもしたことがある方であれば、複利という言葉は聞いたことがあると思います。

複利とは利子に利子がつくことですが、複利の力は、私たちの想像を遥かに上回るものであり、その力は投資期間が長くなるほど大きくなります。

そのため、複利の力を利用して投資で成功するためには、とにかく市場で生き延びて長期間投資を継続することが重要です。

②余裕のある計画が勝利をもたらす

将来、どのようなことが起こるのかを正確に予測することは誰にもできません。
お金にまつわるほぼすべてのことは、偶然性に支配された世界で起こっているのです。

そのため、資産形成をしていくうえでは、”不確実なもの”や”未知数なもの”の存在を認め、それらに対処していかなければなりません。

その唯一の方法が、”常に余裕を残しておくこと”です。

「こうなるだろう」と考えた出来事の範囲と、実際に起こりえる出来事の範囲の間に余地を設けて、失敗しても再度挑戦できる余力を残しておくことが大事になります。

自分では「世界経済はずっと右肩上がりに成長しているから、今後も成長し続けるだろう」と確信していても、実際にそうなるかはわかりません。

世界経済の成長を信じて、なけなしの資産のほとんどを全世界株連動型のインデックスファンドに投資したとしましょう。

予想通りに株価が上昇してくれれば良いのですが、予想に反して暴落が起きてしまった場合、ほとんどの資産を失って市場から退場せざるを得なくなってしまうかもしれません。

私生活で急遽まとまったお金が必要になり、下落相場で投資資産を売却せざるを得なくなることだってあるでしょう。

一方、十分な現金は確保したうえで全世界株連動型のインデックスファンドに投資したとすると、仮に暴落が起きても、確保しておいた現金で急な出費にも対応することができますし、暴落後の割安価格で買い増すことだってできるかもしれません。

想定通りに株価が上昇したときは、資産を全額投資に回した場合と比べて利益は小さくなってしまいますが、投資で絶対に避けたいのは”市場からの退場”ですから、目先の利益目当てに資産のほとんどを失うリスクを取ることに価値はないでしょう。

投資の世界では、より長く市場で生き延びた人が勝利を手にするのです。

余裕のある計画が勝利をもたらす

③自分の資産形成の戦略を明確にする

資産形成をしていくうえで、他人の意見を参考にすることがあると思います。

他人の意見を参考にすること自体は問題ないのですが、その際に、自分がどのような戦略で資産形成をしているのかは明確にしておかなければなりません。

・長期投資 or 短期投資
・値上がり狙い or 配当狙い
・老後の資産形成目的 or 早期退職目的

など、人によって、資産形成の目的や時間軸は異なり、戦略も変わってきます。

例えば、

目先の利益を得るために株を売買するデイトレーダーであれば、法外な価格で株を買っても、その日の終わりに少しでも株価が上がっていれば良いです。

しかし、長期投資家が法外な価格で株を買ってしまうと、いずれ来る株価暴落により大きな損失を抱えることになります。

そのため、”自分がどのように資産を築こうとしているのかを忘れず、他の戦略をとっている他人の言動に惑わされないこと”が資産を築いていくうえでは重要になります。

あなたが長期的に資産を築こうとしているのであれば、短期的な戦略をとっている他人の意見に惑わされてはいけないのです。

④本当の富は見えない

1000万円の高級車に乗っている人を見たときや、300万円の高級時計を身に着けている人を見かけたとき、あなたはどのように思うでしょうか?

多くの人が「持ち主はお金持ちに違いない」と咄嗟に思うでしょう。

実際にその人がお金持ちである可能性もありますが、給料のほとんどを車や時計に費やしていて貯金がほとんどなかったり、多額の借金をしている場合だってあります。

通常、他人の銀行口座や証券口座の中身を見ることはできないため、私たちは所有物や暮らしぶりといった目に見えるものから他人の豊かさを判断しようとします。

しかし、1000万円の車を所有している人を見たときにわかるのは、車を買う前よりも手持ちのお金が1000万円少ない、あるいは1000万円相当の借金が増えているということだけです。

富とは、買わなかった車や身に着けていない時計といった、目に見えるものに変換されていない金融資産のことなのです。

高級品を買うことを否定しているわけではないのですが、あなたが将来、富を築きたいと考えているなら、「他人に見せつけるための高級品を買わないようにする」などの自制心も必要であることは心に留めておくべきです。

本当の富は見えない

⑤目的がなくてもお金を貯めるべき

あなたがお金を貯めている、あるいは貯めようとしている理由は何でしょうか?

車を買いたい、結婚資金、マイホームの頭金、子どもの学費など人によって理由は様々あると思います。

「特に貯める理由なんてないから、お金が手に入ったらすぐ使っちゃうよ」という人もいれば、「理由は特にないけど、とりあえず貯めている」という人もいるでしょう。

お金を貯める理由は人それぞれで、どれも素晴らしいことですが、実は”目的のない貯金”がもたらす価値は非常に大きいです。

目的のない貯金をすることで、”選択肢”と”柔軟性”が手に入ります。

お金があれば、

・今の仕事を辞めて、自分が本当にやりたいことに挑戦できる
・お金がないという理由で、何かを諦めることがなくなる
・チャンスをじっと待つこともできるようになる

などの選択肢を持つことができます。

また、貯金額が増えるにつれ、心と時間の余裕が生まれ、その余裕によって柔軟に物事を考えることができるようになります。

そうすると、仕事や投資でも良い成果を出しやすくなりますし、視野が広がることで、これまで気がつかなかったチャンスに気づくこともできるようになります。

目的のない貯金により得られるリターンは、目的がある場合と異なり、車、家、結婚式など具体的なものごととしてイメージができないので、その価値を見落としがちになります。

しかし、”選択肢と柔軟性”という、自分の意思で人生をコントロールするために必要なものを与えてくれるのです。

そのため、「目的がなくてもお金は貯めるべき」なのです。

目的がなくてもお金を貯めるべき

まとめ

『サイコロジー・オブ・マネー』について紹介してきました。

「これから資産を築いていきたい」という人にとって、本書からは得るものがたくさんあると思います。

この記事で紹介した内容以外にも、本書には資産形成をしていくうえで役に立つ考え方がまとめられていますので、もっと詳しく知りたいという方は『サイコロジー・オブ・マネー』をぜひ読んでみてください!

以上!


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