アカデミー賞映画『グリーンブック』の見どころ・感想を紹介

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この記事では、2018年に公開された映画『グリーンブック』の紹介をしています。

『グリーンブック』はこんな映画

・人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部での、黒人天才ピアニストとイタリア系白人運転手の友情物語
・人種差別について考えさせられる、実話をもとにした名作
・2019年の第91回アカデミー賞で、作品賞、助演男優賞、脚本賞を受賞

グリーンブック』の概要

公開日2018年11月16日(アメリカ)
2019年3月1日(日本)
上映時間130分
監督ピーター・ファレリー
出演者ヴィゴ・モーテンセン
マハーシャラ・アリ
リンダ・カーデリーニ など
興行収入3億1885万ドル(世界)
21.5億円(日本)

『グリーンブック』は人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部での、黒人天才ピアニストとイタリア系白人運転手の友情を描いた映画です。

黒人ピアニストのドクター・ドナルド・シャーリー(ステージ名:ドン・シャーリー)と、シャーリーの運転手兼ボディーガードを務めたイタリア系白人のトニー・ヴァレロンガが1962年に行った、アメリカ最南部コンサートツアーでの実話をもとに製作されており、トニーの息子であるニック・ヴァレロンガが脚本と製作に関わっています。

本作は、黒人ピアニストであるドクター・ドナルド・シャーリーが作中で受ける差別を通し、今一度、人種差別について考えさせられ、道徳の授業にも使えそうな名作映画です。

あらすじ

1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。

引用:グリーンブック : 作品情報 – 映画.com
【公式】『グリーンブック』3.1(金)公開/本予告

見どころ・感想

”トニーとシャーリー”全く異なる2人の人間性

グリーンブック トニー&シャーリー
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.

本作の主人公であるトニーとシャリ―。
物語はこの2人を中心に進んでいくわけですが、育った環境や価値観、性格などが全く異なり、2人の人間性の対比がおもしろいです。

2人の違いに目を向けてみると、より本作を楽しめるでしょう。

以下にトニーとシャーリーがどんな人物なのか簡単にまとめてみました。

トニー・ヴァレロンガ

・イタリア系アメリカ人
・ニューヨークの高級クラブで用心棒として働いており、腕っぷしは強いが頭は良くない
・妻と2人の息子がいる
・自分の感情に従って行動するタイプで、ちょっとやんちゃなところもある
・昔から、デタラメを言って人を操るのが上手かったため、トニー・リップと呼ばれている

ドクター・ドナルド・シャーリー

・黒人の天才ピアニスト
・幼いころから母親にピアノを習い、9歳で名門の音楽院の生徒となる。18歳でコンサートデビューを果たす。
・金持ちが集まる場で演奏することが多い。演奏する際、表面上は歓迎されるが、差別的な扱いを受けている。
・シャーリー自身も大金持ちであり、初登場シーンのシャーリーの服装や、部屋の内装はなかなかインパクトがある。
・同居人はおらず、広い家に1人で暮らしている(執事はいる)。
・他の人のことを考えて自分の感情を押し殺すタイプ。差別を受けてもぐっとこらえている。
・礼儀や言葉遣いに厳しい。トニーも何度も注意されることになる。
・高い教養があり、音楽、心理学、典礼芸術の博士号を持つ。

トニーとシャーリーの友情

グリーンブック トニー&シャーリー②
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.

人間性が全く異なるトニーとシャーリーですが、アメリカ南部の旅で長い時間一緒にいたことで、衝突しながらも少しずつ仲良くなっていきます。

しかも、ただ仲良くなるだけじゃなく、お互いにいい影響を与えあっており、素敵な関係性だと思いました。

トニーはシャーリーと出会うまで黒人に対して差別的な態度をとっていて、シャーリーも例外ではありませんでした。

そんなトニーも、シャーリーの演奏を聴いてからはすっかり彼のファンになり、シャーリーと対等に接するようになります。

そして、シャーリーが差別的な扱いを受けると怒りをあらわにするようにまでなり、「精神的にすごく成長したなー」と感じました。

さらに、どちらかというとおバカな部類であるトニーがシャーリーと共に過ごすことで、少しずつ賢くなっていくのも観ていて面白かったです。

一方シャーリーは、頑固で少し頭の固い性格だったのが、トニーと過ごすことで物事を柔軟に考えるようになっていきます。

また、庶民的な生活に疎かったシャーリーですが、トニーによって様々な庶民的なことを教えられ、体験していきます。

その中でも、シャーリーが初めてフライドチキンを食べるシーンは、本作における私の一番のお気に入りシーンです。

シャーリーの笑顔で思わず自分もニッコリしてしまい、すごくほっこりしました。

このような、ただ仲が良いだけでなく互いにいい影響を与えあう、トニーとシャーリーの友情は本作の見どころです。

人種差別に立ち向かう勇気

グリーンブック トニー&シャーリー③
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.

本作は人種差別が大きなテーマになっており、黒人であるシャーリーが人種差別にどう立ち向かっていくのかが注目ポイントです。

シャーリーはあえて黒人差別の激しいアメリカ南部地域でツアーを行い、当然のごとく差別を受けることになります。

その差別の内容は、現代を生きる私たちからすれば理不尽極まりなく、観ていて非常に心が痛むようなものですが、シャーリーは決して怒りを表に出すことなく、毅然とした態度で差別と向き合っていきます。

また、トニーは周りの白人が皆、黒人を見下し差別する中、トニーは差別を行う人々を真向から非難し、シャリ―とは別の立場から人種差別に立ち向かいます。

人種差別に屈することなく毅然とした態度を貫くシャリ―と、周りの同調圧力に屈せず人種差別を行う人々を非難するトニー。

2人の人種差別に立ち向かう勇気には、きっとあなたも心動かされるでしょう。

1960年代のアメリカの雰囲気

グリーンブック トニー&シャーリー④

本作の舞台は1960年代のアメリカ南部であり、「昔のアメリカはこんな感じだったのかー」と当時の雰囲気をなんとなく楽しめるのも、本作の魅力かなと思います。

作中では旅の最中に車で移動しているシーンなんかもあるわけですが、ひと昔前の少しのどかな田舎っぽい感じが、素敵だなと感じました。

また、私は1960年代のアメリカでは地域によって人種差別の度合いも違っていたということを知らなかったので、このことに関しては単純に勉強になりました。

作品の評価・レビュー

※2022年7月8日時点

映画.comやYahoo映画などのレビューを見てみると、評価点の平均が5点満点中4点以上となっており、高く評価されていることがわかります。

ただ、低評価のレビューも一定数あり、「退屈」「登場人物に感情移入できない」「黒人を助ける白人を描いた、白人のための映画」といった感想を抱いた方もいるようです。

グリーンブック 映画.com評価
出典:グリーンブック : 作品情報 – 映画.com
グリーンブック Yahoo映画評価
出典:グリーンブック の映画情報 – Yahoo!映画

高評価レビューの例

星5 最高傑作。学校で子供たちに見せるべき

最高傑作です。これは世界的にも名を残す名作です。

100人鑑賞したら95人は「最高の映画だった」と感じるでしょう。観客の心を鷲掴みにするとはまさにこのことなんだろうテンポもよくドライブ中の二人の掛け合いがたまらない。クスッと笑える部分もありつつ、考えさせられる部分もある。最高だ。

育ちや人種、性格も正反対な二人が仕事をきっかけに一緒に長い時間を過ごし、よき相棒となっていくのは微笑ましかった。

好対照な凸凹コンビだし、だからこそ奇跡的に生まれた絆がより一層輝く。

そしてこの映画の完成度には驚いた。黒人差別を違和感なく伝えていた。黒人が使ったコップをさりげなく捨てたり、なんとなくて白人から袋叩きにされたりなど。現実にこんなことがあったと思うと胸が苦しくなる。

私は実際に見に行ったことがないので確信ではないが、昔よりも今は黒人差別はなくなっているという。今の時代はLGBTや人種差別など多くの差別問題がある。そういう不平等をなくすにはこのような映画が必要だと思う。

全世界の老若男女が見るべき最高傑作である。

見る映画がなくて迷っている人だけでなく、見たい映画を後回しにするほどいい映画である。

ぜひこの感想を見た方には見ていただきたい。

引用:グリーンブックのレビュー・感想・評価 (2) – 映画.com

星5 映画っていいよねって思わせる秀作

黒人差別のドキュメンタリー観たいんなら他をオススメします。他の人も言ってるように描写がソフトで確かに薄っぺらいかもしれない。

実話に忠実かどうか気になる方もぜひ観ない方がいいです。都合よく変えてあるの?へぇ〜そうなのねうんうんわかったよ。

でもね。僕は個人的に映画ってエンターテイメントで、僕らそこに金払う訳だし。

そういう意味では最高でした。泣いたし笑ったし音楽だしロードムービーだしマフィアだしもうてんこ盛り(笑)。

観ようか迷ってる人、エンターテイメントが好きなら観る価値あります。

批評家さん達は観ないでもいいと思う。

個人的にはこんなじんわり感動してエンドロールでやっぱり笑いながら泣ける、こんな映画をいっぱい観たいしそこにお金も時間も使いたい。

『グリーンブック』観てよかったと思える映画でしたよ。おすすめします。

引用:グリーンブック の映画レビュー・感想・評価 – Yahoo!映画

低評価レビューの例

星2.5 想定よりも遥かにマイノリティをテーマにした映画

アメリカお国柄がにじみ出る作風で個人的にはあまり好きではない

高評価なのでそれなり以上に面白いのだろうと期待したが

叩きづらいテーマで、特に大きな失点がなければ高評価になるのだろうか

まれによくある人種差別はいけませんよ系映画、その進化系

見る前からわかってはいたが、ここまで来るとうーん、キャラクターが記号的に感じる

マイノリティと荒くれ者のツアー

黒人差別色濃い時代に

完全DQNイタリア系を品位あるアフリカ系が諌めながら旅をしていくのは面白い

ロードムービーとしては似たような風景、トラブルもほどほどで想定の範囲なのが残念

映画そのものの品質は悪くない

時系列シャッフル、複雑な場面転換などの難しい演出も特に無く

安心して見れるだろう、言ってしまえば陳腐

吹替版声優が豪華なので日本語吹替版もおすすめ

引用:グリーンブックのレビュー・感想・評価 (5) – 映画.com

星1 テレビで十分。

白人が黒人を助けるハッピーエンド映画。

監督が移民を敵視・排除しようとする人達や世界に対して、自身のメッセージとして作った映画と聞いて見に行った。

結果この映画は単に白人が黒人助けて監督が「白人にもいい人はいるんだ!自分がそうだ!」って言いたいだけで、今このタイミングでこの映画を作れば大ヒット間違いなし!と狙って作った究極の自己満足作品と分かった。

そして監督は映画が一部の人に評価され受賞し、満足そのもの。

引用:グリーンブック の映画レビュー・感想・評価 – Yahoo!映画

『グリーンブック』を観ることができる動画配信サービス

2024年1月1日時点で『グリーンブック』を観ることができる動画配信サービスは以下になります。

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以上、映画『グリーンブック』の紹介でした!

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