突然ですが、あなたは日々の生活で幸せを感じていますか?
「はい、幸せです!」と胸を張って言える人もいるかもしれません。
けれども、多くの人は、仕事や人間関係などの悩みによって、心からの幸福を実感できずにいるのではないでしょうか。
しかし、その悩みの多くは、実は”あなた自身が作り出しているもの”にすぎないのかもしれません。
たとえば、「あの人は私のことが嫌いだ」と思い込んでいても、実際には「特に何も思っていない」「嫌っているつもりはない」というケースはよくあります。
私たちが感じていることと、現実の状況とは、多くの場合においてズレがあります。
このズレに気づき、修正していくことができれば、自分で作り出していた不要な悩みは自然と消えていきます。
では、どうすればこのズレを修正できるのでしょうか。
そのヒントとなるのが、”自分自身を客観的に見ること”、そして”自分を少しずつ変えていくこと”です。
この”自分を客観的に見る”力を養うために重要なのが、”マインドフルネス”と”瞑想”なのです。
この記事では、書籍『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』をもとに、マインドフルネスと瞑想の基本について紹介していきます。
『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』の概要
書籍タイトル | 自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス |
著者 | メンタリスト DaiGo |
発行日 | 2020年8月20日 |
出版社 | PHP研究所 |
ページ数 | 191ページ |
価格 | 単行本:1540円(2025年7月12日時点Amazon価格) Kindle版:700円(Amazonプライム会員は0円、2025年7月12日時点) |
本書の内容
科学的根拠に基づいた”マインドフルネス”と”瞑想”により、自分を客観的に見ることで自分を変えていき、あらゆる不安を解消するための方法がまとめられています。
具体的には、
・マインドフルネスの基本
・”無駄に悩まない人”になるための方法
・自信をもち、前向きになる方法
・自分の弱み(コンプレックス)との向き合い方
・マインドフルネス瞑想のやり方
・瞑想をするメリット
などについてまとめられています。
要約①:マインドフルネスとは?
マインドフルネスとは、”今、この瞬間に意識を向けている状態”のことを指します。
簡単に言えば、「今、自分が何をしているのかに気づきを持つこと」です。
マインドフルネスの実践では、普段見逃しがちなことに対して、先入観を持たず、ありのままに観察することで、さまざまな気づきを得ることを目指します。
たとえば、何気なく食事をしているときでも、食べているものに意識を向けてみると、
「こんな味だったんだ」
「思っていたよりも柔らかい食感だな」
「ほんのりいい香りがする」
といった新たな気づきが生まれるはずです。
このように”今、この瞬間”に意識を集中することで、大切なことや物事の本質に気づけるようになり、それが心の平穏や落ち着きへとつながっていきます。
さらに、マインドフルネスを継続的に実践することで以下のような良いことがあります。
・共感力が自然と高まり、人のために行動できるようになる
・自分自身もより幸せを感じられるようになる
・ストレスから徐々に解放されていく
要約②:マインドフルネスの基本
1. アウェアネス(Awareness)
アウェアネスとは、”今、この瞬間”に意識を集中し、”自分が今、何をしているのか”に気づくことを指します。
たとえば、ごはんを食べながらテレビを見ていると、”食べる”という行為に十分な注意が向いていません。
その結果、食事の喜びを感じられず、どれくらい食べたかも把握できないまま、つい食べ過ぎてしまうことがあります。
そこで、テレビを見るのをやめ、食事だけに意識を向けることで、”食べることの喜び”や”自分が今どれくらい食べているのか”といった感覚に気づくことができます。
大切なのは、”シングルタスクの時間を意識的につくり、マルチタスク(ながら作業)を避けること”です。
2. ビーイング(Being)
ビーイングとは、自分の行動に気づきながらも、それに対して「良い・悪い」といった評価や価値判断をせず、ただそのまま受け止める姿勢を指します。
たとえば、カロリーの高いお菓子を食べているとき、「太りそうだな」「体に悪そうだな」と評価せずに、「自分は今、高カロリーのお菓子を食べている」と、行動そのものを客観的に認識することが大切です。
行動に対する感情や評価は一旦脇に置き、自分の“存在”をそのまま見つめましょう。

3. クラリティ(Clarity)
クラリティとは、物事をありのままに、明確にとらえることです。
たとえば、「なんとなく将来が不安だ」と感じているときには、「何が不安なのか?」と自分自身に問いかけてみましょう。
すると、「お金が足りなくなるのが不安」「健康を損なうのが不安」「仕事がなくなるのが不安」といったように、自分の不安の正体がはっきりしてきます。
このように、自分の心の中にある漠然とした感情を明確化することで、必要な対応策を考えられるようになり、不安を整理することができます。
要約③:瞑想を行うメリットと実践法
瞑想を行うメリット
1. セルフコントロール能力が高まる
『マインドフルネスの基本 1. アウェアネス(Awareness)』の項で、”シングルタスクの時間を意図的につくり、マルチタスク(ながら作業)を避けることが重要”とお伝えしました。
しかし、私たちはつい、食事中にテレビを見たりスマホを操作したりと、無意識のうちにマルチタスクに陥りがちです。
こうした誘惑を断ち、意識的にシングルタスクの時間をつくるには、高いセルフコントロール能力が必要になります。
最近の心理学では、「人間の成功のためにはセルフコントロール能力がもっとも大切だ」といわれており、このセルフコントロール能力は瞑想や運動によって鍛えられることが明らかになっています。
2. “今”に集中する能力が高まる
悩みや不安があると、そればかりが頭から離れなくなることがあります。
そして、イヤなことを考えないようにすればするほど、逆にそのことにとらわれてしまう――これは多くの人が経験する厄介な状態です。
この問題の解決策は意外とシンプルで、意識を別の対象に向ける(別のことを考える)ことです。
瞑想中は、自分の呼吸などに意識を集中させるため、自然とイヤなことから注意がそれます。
呼吸に意識を向けることで、思考が頭の中にとどまることなく、右から左へと流れていくような感覚を得られるでしょう。
瞑想によって、”心ここにあらず” の状態から、自分の内面にしっかりと意識を向けられる ”今に集中した状態” へと切り替えられるのです。
そのため、瞑想は”今に集中する力”を高めるのに非常に効果的です。

3. メンタルが強くなる
”瞑想”と聞くと、お坊さんの修行を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか(私はポケモンの技が真っ先に思い浮かびますが)。
実際、お坊さんが修行として瞑想を深めていくと、
・ポジティブ思考の増加
・不安感の減少
・報酬思考(ご褒美を求める傾向)の強化
といった変化が見られる、という研究結果があります。
これらは、いずれもメンタルが強くなったときに現れる特徴です。
したがって、瞑想によってメンタルが鍛えられる可能性が高いといえるでしょう。
もちろん、修行僧のような深い瞑想状態に入るのは簡単ではありませんが、私たち一般人でも無理のない範囲で瞑想を取り入れることで、メンタルの安定や強化が期待できます。
ちなみに余談ですが、意外なことに「サイコパス」と呼ばれる人たちにも、”ポジティブ思考が多い” ”不安感が少ない” ”報酬思考が強い” といった共通点があります。
本記事では詳細には触れませんが、書籍内では ”お坊さんとサイコパスの共通点” や ”サイコパスの思考” についても紹介されています。
気になる方は、ぜひ読んでみてください。
4. 寝つきが良くなる
夜、寝る前に瞑想を行うことで、寝つきが良くなると感じています。
これは書籍で紹介されていた内容ではなく、私自身の体験談です。
部屋を暗くし、照明やスマホなどの強い光を避けながら瞑想することで、自然と心が落ち着き、体が睡眠モードへと切り替わっていくのだと思います。
リラックス効果も高く、穏やかな気持ちで眠りにつくことができるので、寝る前のルーティンとしてとても瞑想はおすすめです。
瞑想の実践法
1. 姿勢を正す
瞑想を行うときは、お腹をちょっと突き出すくらいのイメージで姿勢をよくしましょう。
そうすることで、横隔膜が大きく動くようになり、脳にたくさん酸素がまわって集中力が高まったり、瞑想の効果が高まるといわれています。
2. ゆっくり呼吸をする
瞑想中は1回の呼吸に10秒以上かけ、息を吸う時間よりも吐く時間が長くなるようにしましょう。
息を吐く時間を長くすることによって、副交感神経が優位になり、リラックス効果があります。
具体的には、吸う時間が4秒、吐く時間が6秒になるようにするといいでしょう。
3. 注意のコントロール
瞑想中は何か1つのことに集中します。
基本的には呼吸に集中するのがいいでしょう。
呼吸に集中するためには、呼吸をカウントしてみるのがよいです。
吸うときに「1、2、3、4」、吐くときに「5、6、7、8、9、10」と数えます。
最初は呼吸以外のことに注意がそれてしまうことが多いと思いますが、それた注意をもとに戻すときに脳が鍛えられるので、気にせずに瞑想を続けてみましょう。

瞑想の効果を爆上げする方法
瞑想の効果を爆上げする方法はいたって単純で、”継続する” ことです。
最初はあまり実感が湧きませんが、瞑想はやればやるほど効果が出てきます。
いきなり長時間瞑想をするのはハードルが高いと思いますので、あなたが続けられると思う範囲で始めてみて、最終的に20分間くらいできるようになればベストでしょう。
まとめ
書籍『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』からマインドフルネスと瞑想の基本について紹介してきました。
ポイントを以下にまとめておきます。
マインドフルネスとは ”今、この瞬間に意識を向けている状態” のこと
マインドフルネスの基本
①シングルタスクの時間を意図的につくり、自分が今何をしているのかに気づく
②自分がしていることに対する感情を排除する③物事をあるがままに明確にとらえる
瞑想を行うメリット
①セルフコントロール能力が高まる
②”今” に集中する能力が高まる
③メンタルが強くなる
④寝つきが良くなる
瞑想の実践法
①姿勢を正す
②ゆっくり呼吸をする
③何か1つのことに集中する
継続により瞑想の効果は爆上げされる
この記事で紹介した内容についてもっと詳しく知りたい方や、この記事で紹介しなかった内容について知りたいという方は、ぜひ本書『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』を読んでみてください。
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