・よい人生、幸せな人生を送りたいと本気で思っている人
・「あの選択、間違っていたかも……」と後悔したくない人
・性格や環境ではなく、“考え方”から人生を変えたい人
「よい人生、幸せな人生を送りたい」
これは、朝起きた瞬間から寝る直前まで、私たちの頭のどこかにずっと居座っているテーマではないでしょうか。
・新しい家電を買う
・収入アップや労働環境改善のために転職活動をする
・一攫千金を狙い宝くじを買う
これらの行動について、なぜそのようなことをするのかを考えてみると、その根底には「よい人生、幸せな人生を送りたい」という思いがあります。
それは誰しも抱く、人間として当たり前の思いでしょう。
ですが、あなたはこんなふうに感じたことはありませんか?
・頑張っているのに、なぜか満たされない
・正解を選んでいるはずなのに、人生が迷路のように感じる
・「このままでいいのか?」という疑問が、ふとした瞬間に顔を出す
私自身も、コーヒーを飲んで一息ついているときや入浴中などに、同じようなことを考えてしまうときがあります。
まるで人生という名のRPGで、何の情報も無しに最初の街を出てしまったような気分です。
では、そもそも”よい人生、幸せな人生”とは、いったい何なのでしょうか。
考えてみると、この問いはかなりの難問です。
・幸せな人生を送るには、どのように生きればよいのか
・よい人生の条件とは?-収入?人間関係?
・人生の質は考え方で決まる?それとも成果や成功?
問いを立てれば立てるほど、答えは増えていきます。
しかも、私たちが生きているこの世界は驚くほど複雑です。
ひとつの信念や、たった数個のルールだけで攻略できるほど、人生は単純ではありません。
そこで役に立つのが、”よりよい人生を送るための思考法”、いわば”思考の道具箱”です。
ドライバー1本で家を建てるのが無理なように、人生もひとつの考え方だけでは立ち行かないのです。
その思考の道具箱について体系的にまとめられているのが、
書籍『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』です。
この記事では、『Think clearly』に収録されている52の思考法の中から、”人生で大きな失敗をしないためには、どう考えればよいのか”という視点に絞り、特に重要な5つの思考法を厳選して紹介します。
遠回りや大失敗をできるだけ避け、少しでも納得のいく人生を送りたい方は、ぜひこのまま読み進めてみてください。
『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』の概要
| 書籍タイトル | Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法 |
| 著者 | ロルフ・ドベリ |
| 翻訳者 | 安原 実津(やすはら みつ) |
| 発売日 | 2019年4月5日 |
| 出版社 | サンマーク出版 |
| ページ数 | 478ページ(単行本) |
| 価格 | 単行本:2,090円(63pt) Kindle版:1881円(19pt) ※2026年2月1日時点Amazon価格、()は獲得Amazonポイント |
要約:人生で大きな失敗をしないための5つの思考法
①”勝つこと”ではなく”負けないこと”が大事
まず最初に紹介するのは、このあとに取り上げる4つの思考法すべての土台となる、いわば人生の基本姿勢です。
私たちはどうしても、
・人より勝ちたい
・成功したい
・何かを手に入れたい
といった”プラスを積み上げること”に意識が向きがちです。
人生をゲームにたとえるなら、”ハイスコアを出すこと”に夢中になっている状態です。
しかし、『Think clearly』が強調しているのは、
よい人生を送りたいなら、勝つことよりも”負けないこと”を最優先にすべきという考え方です。
つまり、
・何を得るか
・どれだけ成功するか
よりも、
・何を避けるか
・どんな失敗をしないか
のほうが、人生全体に与える影響ははるかに大きいというわけです。
”人は何をすれば幸せになれるのか”という問いについては、心理学者や経済学者ですら、いまだに明確な答えを出せていません。
一方で、”幸せを大きく損なうもの”は具体的に挙げることができます。
たとえば、
・アルコールや薬物への依存
・慢性的なストレス
・重い病気
・深刻な貧困
・強い孤独
これらは、人生の幸福度を一気に底まで引きずり下ろす”落とし穴”です。
よい人生を目指す第一歩は、遠くのゴールに向かって全力疾走することではありません。
まずは、足元に空いた深い穴をよけて歩くことです。
長期投資の世界では、
「勝とうとするな。負けないことに集中し、できるだけ長く市場に居続けろ」
という格言がありますが、この考え方は人生にもそのまま当てはまります。

②特定の要素だけを過大評価しないようにする
突然ですが、次のことを想像し、それぞれの幸福度を0点〜10点の11段階で評価してみてください。
A:理想の住居(タワーマンションの最上階や広い一軒家など)に住んでいる自分
B:古びたアパートの一室に住んでいる自分
いかがでしょうか。
私の場合は、Aが10点、Bが0点でした。
おそらく、あなたもAのほうが高い点数になったのではないでしょうか。
では、次はこの2つです。
C:理想の住居に住んでいるが、仕事に追われ、時間やお金に余裕がない自分
D:古びたアパートに住んでいるが、時間とお金を自由に使える自分
私の場合、Cは2点、Dは6点でした。
AとC、BとDは住んでいる場所は同じなのに、幸福度の評価は大きく変わります。
なぜでしょうか。
理由はシンプルです。
AとBでは「住居」という一つの要素だけで判断していたのに対し、
CとDでは、
・住居
・使える時間
・お金の余裕
といった複数の要素をまとめて評価したからです。
この例が教えてくれるのは、
”人生において特定の要素だけを拡大して見ると、判断を誤りやすい”ということです。
人生で過大評価されがちな要素には、次のようなものがあります。
・年収
・資産額
・住居
・所有物
・肩書
・時間的余裕 など
「お金はそれほどないけれど、家族や友人と過ごす時間はたっぷりある」
こうした視点を持てるだけで、幸福度の見え方は大きく変わります。
物事を一点だけで判断せず、全体像でとらえることが、不要な不幸や後悔を避けることにつながりますです。

③自分の感情に従うのをやめる
「自分の心の声に従え」
「感情の赴くままに行動しよう」
一見、とても人間味があって魅力的なアドバイスですが、
『Think clearly』の著者は、これらをかなり危険な助言だと指摘しています。
なぜなら、私たちは自分の感情を正確に理解できていないからです。
著者は感情を、
”針がぐるぐる回っていて、北を指しているのかどうかも分からないコンパス”
にたとえています。
そんな壊れかけのコンパスを、人生の重要な意思決定に使うのは危険です。
私たちが自分の感情を正しく把握できない理由は、主に次の2つです。
理由1:進化の過程で、自分の感情よりも他人の感情を読む能力が重視されてきた
人間は、”自分の感情よりも他人の感情を読み取ることのほうが得意”であることが、すでに事実として明らかになっている。
理由2:「自分はこう感じている」と思っても、それが正しいか検証する方法がない
仮に認識が誤っていたとしても、それを修正する手段がないため、正確な自己分析は非常に困難である。
このため著者は、
「”周りの人の感情”は真剣に受け止めるべきだが、”自分の感情”とは真面目に向き合う必要はない」
と述べています。
ただ私としては、この考え方はかなり極端に感じており、
「意思決定をする際の”自分の感情”という特定の要素は、あくまで判断材料の一つであるため重くとらえすぎないようにする」
くらいの考え方がちょうどいいんじゃないかなと、私個人としては思っています。
④解決よりも予防をする
「頭のいい人は問題を解決するが、賢明な人はそれをあらかじめ避ける。」
これはアインシュタインの言葉です。
人生におけるあらゆる困難は、”解決”するよりも”回避”するほうが、早くて楽です。
しかし、”問題を避ける行動”は、目立ちにくく魅力に欠けるという厄介な特徴があります。
・倒産寸前の会社を立て直した人は称賛される
・倒産を未然に防いだ人は話題にならない
多くの人が”問題を解決するヒーロー”に憧れます。
しかし、より高く評価されるべき真のヒーローは、”問題を未然に防いでいる人”です。
私たちが重要視すべきなのは、
・解決策を集めること
・対処法を増やすこと
ではなく、
・予防措置をとること
であると、しっかりと心に留めておく必要があります。
ただし、予防措置をとるには、知識だけでなく、”想像力”も求められます。
ここで言う”想像”とは、将来起こりうる問題とその結末を具体的かつ綿密に予測する能力であり、高い集中力を要するものです。
片手間に何となく頭に思い浮かべるようなものではありません。
まずは週に15分程で構わないので、あなたの人生で起こりうる重大な問題について集中して考える時間を設けてみましょう。
⑤期待は少ないほうが幸せになれる
私たちの脳は、常に何かを期待しています。
蛇口をひねれば水が出ると期待し、電車に乗れば目的地に着くと期待しています。
こうした期待は無意識のうちに抱いているため、私たちがそれを自覚することはほとんどありません。
問題は、過度な期待です。
期待が大きいほど、裏切られたときのダメージも大きくなります。
そのため、私たちは”現実的な期待”を持つための工夫をする必要があります。
そこで有効なのが、”期待を数値化する習慣”を取り入れることです。
具体的な手順は、以下の3ステップです。
ステップ1.何かをしようとするとき(旅行前、デート前、プレゼン前など)には必ず、”必然”、”願望”、”期待”をはっきり区別する。
必然:しなければならないこと
願望:自分がしたいこと、好みや目標
期待:できればいいなと思うこと
ステップ2.期待を0~10の11段階で評価する。
0:悲劇的な出来事を予想している
10:一生をかけた夢がかなうと期待している
ステップ3.評価した点から”2点”を差し引き、現実的な期待値に修正する。
上記のようなステップを踏むことで自分が抱く期待を小さめに見積もることができ、幸福感を損なうことを防ぎやすくなります。
『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』のAmazonレビュー
Amazonの商品ページでの評価を見てみると、評価点の平均が5点満点中4.2点と高く評価されていると言えるでしょう(2025年5月25日時点)。

高評価のレビューを見てみると、
「どれもタメになる知識ばかりで、データも豊富に明示されておりとても分かりやすい内容だった。」
「この本には読むだけでも心がスッキリする知見に溢れている。具体例とエビデンスの割合がちょうどよく、非常に読みやすい。」
といった感想が見受けられ、得られる知識の内容や読みやすさが評価されているようです。
一方、低評価レビューを見てみると、
「量が多い、著者の意見も多く含まれるので自分とは合わないと思う人もいるだろう」
「先ず著者の偏ったモノの捉え方や考え方、そして根拠性の低い数値評点やいたずらにページ数を稼ぐかのように書かれたまだらっこしい比喩的文体はどうも自分の価値観と合わず受け入れ難い。」
などの声がありました。
実際、私も読んでいて、「著者の価値観ベースで書かれている」と感じることはありました。
合わない人からすれば低評価になってしまうのは仕方がないのかなと思います。
まとめ
本記事では、『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』の中から、”人生で大きな失敗をしないための思考法”を5つ紹介しました。
ポイントを以下にまとめておきます。
①”勝つこと”ではなく”負けないこと”が大事
幸せを台無しにしかねない”人生のマイナス要素”をはじめから避けることが、豊かな人生につながる。
②自分の感情に従うのをやめる
私たちは自分の感情を正確に把握することができない。
”周りの人の感情”は真剣に受け止めるべきだが、”自分の感情”とは真面目に向き合う必要はない。
③特定の要素だけを過大評価しないようにする
ものごとを全体的にとらえて判断・評価をすることで、極端に幸福度を下げることや判断ミスをしてしまうことを避ける。
④解決よりも予防をする
人生におけるあらゆる困難は、”解決”するよりも”避ける”ほうが早いし楽。
問題に対する予防をしておくためにも、週に15分を目標に、人生で起こりうる大きな問題について、集中して考える時間を持ってみる。
⑤期待は少ないほうが幸せになれる
”過度な期待”は幸福感を大きく損なうことにつながる。
”期待を数値化する”習慣をつけることで、”現実に即した期待”を持てるようにする。
これらは派手さはありませんが、
人生を静かに、しかし確実に良い方向へ導いてくれる考え方です。
より深く学びたい方は、ぜひ『Think clearly』を手に取ってみてください。
人生という長い旅の、頼れる地図になってくれるはずです。


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