「もっと効率的に行動して、仕事で結果を出したい」
「趣味に使う時間や家族と過ごす時間を増やしたいけど、毎日忙しすぎる」
「たまにはのんびりと過ごしたいけれど、気づいたら時間がない」
あなたもこんなことを思ったことがありませんか?
私たちには1日に24時間が平等に与えられていますが、
・能力
・収入
・仕事の結果 など、
人によって大きく差が生まれているのが現実です。
このような差が生まれるのはなぜでしょうか?
それは”時間の使い方”に差があるからです。
1日に24時間しかない時間を”どのように使うのか”(=時間術)で人生が決まるのです。
そして、時間を上手く使うためには”集中力”が非常に重要となります。
この記事では、集中力を高めて時間を効率良く使うノウハウがまとめられた一冊『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』から、
・最高の人生を手に入れる”神・時間術”4つの原則
・脳の機能を最大に活かす集中力の高め方
について紹介します。
本書の概要
書籍タイトル | 脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術 |
著者 | 樺沢紫苑 |
初版第一刷発行日 | 2017年4月25日 |
出版社 | 大和書房 |
ページ数 | 244ページ |
価格 | 1650円(単行本、2023年9月11日時点Amazon価格) |
本書を読んでみた感想
本書を読み終えて、「元々知っていた情報もあるけど、日々時間が無いと感じている人にとっては、役立つ内容が多いな」と思いました。
内容としては、
・時間を生み出すための基本的な考え方
・作業効率を高めるためのテクニック
・朝、昼、夜の時間帯ごとにやるべきこと、やってはいけないこと
・作業効率を高めるための休憩のしかた
などについてまとめられており、こういった情報に触れたことが無い方であれば得るものはあるかなと思います。
また、本の読みやすさとしては、多少冗長な部分はあるものの、説明が丁寧で理解しやすく、読み進めやすいと感じました。
難しい言い回しなどがないので、ほとんど詰まることなくスラスラと読み進めることができました。
”時間がないと感じており、同系統の本を読んだことがない人にとっては読む価値ある”そんな一冊だと思います。
Amazonでの評価
※2023年8月20日時点
Amazonの商品ページでの評価を見てみると、評価点の平均が5点満点中4.3点と高評価であることがわかります。
高評価のレビューを見てみると、
「とても読みやすく、頭に入りやすい文章で読書初心者の私でもしっかり理解できた」
「具体例や根拠がしっかりと示されていて納得できました。」
「本書に書かれているノウハウを実践したら、想像以上に効果があった」
など、”まとめられている内容”や”読みやすさ”で高く評価されているようです。
一方、低評価レビューを見てみると、
「科学的に説明している部分もあるが、多くは著者の経験則であり偏見も混ざっている」
「目新しい情報がほとんどない」
などの意見が多く、同系統の書籍を読んだことがあると、あまり得るものはないかもしれません。
要約①:最高の人生を手に入れる”神・時間術”4つの原則
第一原則 ”集中力”を中心に時間を考える
起床後の2~3時間は、脳が疲れておらず、さらに睡眠によって脳内が非常に整理された状態にあるため、脳のパフォーマンスが1日で最も高く、”脳のゴールデンタイム”と言えます。
脳のパフォーマンスが最高のゴールデンタイム中は、高い集中力を要する仕事に向いています。
逆に考えると、夜などの脳が疲れ切ってパフォーマンスが落ちているときに集中力が必要な仕事を無理に行おうとすると、無駄に時間がかかってしまい膨大な時間を失うことになります。
著者曰く、集中力をベースに考えると「朝の1時間は夜の1時間の4倍の価値がある」とのことです。
そこで大事になってくるのが、”どの仕事(作業)をいつやるのか”です。
私たちが日々行う仕事は”集中仕事”と”非集中仕事”の2つに分けられ、”集中仕事は集中力の高い時間帯に行う”、”非集中仕事は集中力が落ちてきてから行う”といったように、仕事をする時間帯を意識することで時間損失を減らすことができます。
集中仕事:非常に集中力を要する仕事
文章を書く、プレゼン資料を作る、英語の資料を読む など
非集中仕事:集中力をさほど使わなくてもできる仕事
メールチェック、電話、会議、来客対応 など
一つ注意点として、”変に集中力を高めようとしてはいけない”ということがあります。
「朝は時間がないから、仕事終わりや学校終わりに頑張って集中力を高めて自分の勉強をしよう」と考える人もいるでしょう。
しかし、集中力が勝敗に大きく影響するプロのスポーツ選手ですら、集中力を完全にコントロールすることはできないのに、我々一般人が無理やり集中力を高められる訳がないのです。
そのため、仕事終わりや学校終わりにヘロヘロになって帰ってきてから、集中力を高めて自分の勉強等の時間に充てるというのは”ほぼ不可能”なのです。
第二原則 集中力を”リセット”して時間を生み出す
”時間”というのは一般的に、線のように流れる”一次元”で考えられています。
そのため、いろいろなところで”電車で動画を見る時間を読書に使う”といったような、何かの作業を別の作業に置き換えるといった”一次元時間術”が多く紹介されています。
しかし、時間を置き換えるだけの”一次元時間術”では、時間を生み出すことはできません。
一方、本書で紹介されている”二次元時間術”は、時間の進行を線ではなく、”時間×集中力=集中時間”の面で考えることによって、時間を生み出すことが可能になります。
ここまでは、第一原則とほぼ同じことを言っているだけですが、この第二原則で重要なのは”休憩して集中力をリセットすることで、集中時間の面積が広がり作業効率が上がる”ということです。
100の集中力を120に高めるのは非常に難しいですが、適切なタイミングでの”休憩”、”リフレッシュ”によって、疲れて70に低下してしまった集中力は簡単に90に回復できます。
休憩により集中力をリセットすることで作業効率が上がり、作業が早く終わることで時間が生まれる。
これが二次元時間術の考え方です。
なお、集中力を手っ取り早くリセットするには”睡眠”と”運動”が非常に効果的です。
・7時間以上の睡眠を習慣づける
・集中力を高めたいときには軽く有酸素運動を行う
といったことを意識してみるといいでしょう。
第三原則 アメリカ式の仕事効率を手に入れる
仕事効率を高めるためには、”集中力を意識すること”に加え、”仕事術的な創意工夫”や”仕事の無駄の排除”なども同時に行っていく必要があります。
日本の労働生産性(仕事効率の指標)は、主要先進7カ国では1994年から22年連続で最下位という悲しい現状があり、日本の時間あたりの労働生産性が42.1なのに対し、アメリカは68.3と日本の1.6倍です。
つまり、日本人はアメリカ人の1.6倍働かないと、同じ価値を生産できないということです。
そして、これまでの日本人は効率が悪い分、長時間労働をすることでカバーしてきました。
アメリカ式の効率のいい仕事術を日本人の仕事に取り入れることができれば、仕事効率が1.6倍となり、時間を生み出すことに直結します。
第四原則 ”自己投資”のために時間を使う
時間術によって生まれた”自由時間”を”仕事”に充てるのは、1日のほとんどが仕事の予定で埋め尽くされてしまうため、最悪の時間の使い方といってもいいでしょう。
本書で紹介されている時間術は”忙しさから解放される方法”であり、仕事時間を固定して、その時間内にできる仕事の量を増やし、仕事の質も高めるという発想です。
自由時間を仕事に使ってしまうと本末転倒となってしまいます。
では、自由時間を何に使えば良いかというと、”自己投資”、”能動的娯楽”、”楽しむ”ために使うべきです。
能動的娯楽:自己成長を促す。読書、スポーツ、楽器の演奏など
↕
受動的娯楽:ただ時間を浪費するだけ。テレビ、ゲームなど
特に、自由時間を自己投資に使うと、”自己投資と自己成長、時間創出の無限スパイラル”が生まれ、さらなる自由時間を作り出すことにつながります。
そして、最終的には”楽しむため”に時間を使うことを目指していきます。
要約②:脳の機能を最大に活かす集中力の高め方
“15・45・90”の法則
深く集中している状態を維持できるのは”15分”程度
人間はある程度の集中力の持続は可能ですが、非常に高い集中力が長時間持続する訳ではなく、かなり深い集中を持続できる濃い集中時間は”15分”程度と言われています。
そして、作業を始めて10~15分頃の状態は、集中力が高まってきていて、いわゆる”調子が乗ってくる”状態です。
そのため、”15分”は集中力持続の単位と言えます。
集中力は”45分”程度しか続かない
深い集中ではなく、普通に集中している状態を維持できるのは”45分”程度と言われています。
小学校の授業は”45分授業→休憩→45分授業”というリズムで行われており、テレビの1時間ドラマもCMを除けば15分×3ブロックの45分で構成されているものがほとんどです。
私たちの日常の中でも、集中力を維持できるように仕組み化や工夫が施されているわけです。
何か作業をするときには、テレビドラマのような15分×3セット=45分の作業時間を意識すると、集中力のリズムを作ることができます。
人間には”90分”の体内時計がある
大人がなんとか集中できる限界の時間が”90分”と言われており、大学の講義や企業のセミナーなどは90分で1区切りの構成であることが多いです。
人間の脳波を調べると、約90分の周期で覚醒度が変化しており、覚醒度の高い90分間と眠気の強い20分が交互に訪れるサイクルが脳に存在することがわかっています。
そのため、作業時間が90分を超えてくると、非常に集中力が落ちた非効率な状態で作業をすることになってしまうので、”1回の作業時間は最長で90分”と意識しておくとよいでしょう。
脳リズムサーフィン仕事術
ここまでで紹介したように、集中できる時間単位は”15分”、”45分”、”90分”と3つあり、本書ではこれを”15・45・90の法則”と呼んでいます。
集中力には高くなったり低くなったりと波があり、この波に上手く乗ることが集中力を最大限活用する仕事術の基本になります。
作業内容によって集中力の持続時間は変わるため、作業内容に合わせて休憩の入れ方を変えるのがポイントです。
また、”15・45・90”というのはあくまで目安なので、試行錯誤しながら自分に最適なリズムをつかむのが重要です。
集中力の敵である”雑念”を取り除く方法
集中力の敵である”雑念”を取り除くことができれば、自然と集中力は高まります。
ここでは、集中を妨げる4つの雑念を取り除く方法を紹介します。
①物による雑念
「どこにいったかな?」と、物を探そうとした瞬間に集中力の糸は途切れ、高まっていた集中力はゼロに戻ってしまいます。
たとえ”物探し”で時間を取られなかったとしても、机の上にいろんなものが散乱していると、そこから雑念が発生してきます。
そして、いったん途切れた集中力が元に戻るのには、15分はかかると言われてます。
そのため、集中力を維持するためには整理整頓が必要不可欠。
物の整理は頭の整理でもあるのです。
実際に整理整頓をするときには、それぞれの物ごとに”置く場所を決めておく”ことが重要になります。
また、自分の身の回りだけでなくパソコン内も整理整頓の対象です。
ファイルがごちゃごちゃに保存されているといった人は、パソコン内をキレイに整理することで、集中力のリセットを防ぐことにつながります。
②思考による雑念
仕事をしている最中に、
「そういえば、あれもやらないと」
「仕事が終わったら何をしようかなあ」
など、様々な雑念が頭の中をよぎることがあなたにもあると思います。
そういった雑念は集中力を妨げ、別の仕事や作業をやりたい衝動に駆られます。
たった1秒の雑念が、結果として15分という時間のロスにつながっていきます。
そのような事態を避けるのに効果的なのが、”気になったことはすべて書く”ことです。
雑念のほとんどは”やるべきこと”、”ToDo”です。
それらを書き出して、目の前や机の横など、すぐ目に入るところに置いておきましょう。
このとき、スマホのメモ帳などのデジタルではなく、紙に書くのがよいです。
「気になったら見ればいい」と思うと、不思議なことにそれ以上の雑念は湧いてこなくなります。
これは心理学の分野では有名な”ツァイガルニク効果”によるもので、多くの研究結果から、紙に書き出すことの有用性が認められています。
③人による雑念
集中力が高まっているときに、電話や声がけによって集中力が途切れてしまった場合、集中力が高まった状態に戻るのに約15分かかることがわかっています。
たとえ1分の用件だったとしても、集中時間的には30分、45分といった時間のロスになってしまう可能性があるのです。
このような事態を避けるためには、誰からも邪魔されずに集中できる自分のとっておきの”集中空間”で仕事をする必要があります。
そのため、まずは自室やお気に入りのカフェなど、人による雑念をシャットアウトできる環境を探すところから始めてみましょう。
また、”集中空間”での仕事が習慣になると、脳が「ここは集中して仕事をする場所だ」と記憶してくれ、さらに仕事の効率アップが期待できます。
とは言え、現実問題、職場に出社して仕事をしているサラリーマンの方などにとって、集中空間にこもって仕事をするのは難しいかもしれませんが、
”できるだけ隔離した環境で集中力を高めると仕事効率が一気に高まり、仕事が猛烈にはかどる”という仕事術のエッセンスだけでも知っておけば、会議室などの閉鎖環境を上手に活用することができます。
④通信による雑念
”集中空間”で仕事をする場合、せっかく集中していても、電話やメール、SNSの通知がくると集中力がゼロに戻ってしまいます。
自分では通知が気になっていないつもりでも、脳は無意識に情報を処理するため、通知によって集中が妨害されてしまいます。
そのため、スマホなどは電源をオフ、最低でも通知音やバイブをオフにしないと意味がありません。
インターネット自体も遮断できれば理想的です。
90分おきに休憩して、そのときに着信が入っていればかけ直したりすれば、作業中は誰にも邪魔されることなく集中することができます。
ただ、多くの人にとって仕事中に完全に連絡を遮断するのは難しいと思いますので、
・着信のチェックを90分おきではなく30分おきにする
・電話の着信通知だけはオンにしておく
など、できる範囲で通知によって集中が妨げられないよう工夫するのが良いと思います。
制限時間仕事術
限界状態に追い込まれた人間が、実力以上の力を発揮することは昔から知られています。
夏休み最終日に宿題をすべて片づけなくてはならない状況が、一番わかりやすい例でしょう。
人は追い込まれると”ノルアドレナリン”が分泌され、ノルアドレナリンには集中力・学習能力を高め、脳を研ぎすます効果があり、脳は最高のパフォーマンスを発揮することができます。
この脳の特徴を活用したのが、”制限時間仕事術”です。
自分で制限時間あるいは「〇月△日まで」といった期限を設けることで、集中力が高まり、仕事効率をアップさせることができるのです。
また、制限時間仕事術を応用し、さらに仕事効率をアップさせることができる方法がいくつかあるため紹介します。
応用① ストップウォッチ仕事術
制限時間を決めるだけでなく、ストップウォッチを使って時間を”見える化”することによって、さらに仕事効率がアップします。
仕事がゲーム感覚になり、モチベーションが上がり、時間通り達成できると、ゲームをクリアしたときと同様の快感が得られるようになるのです。
応用② 休憩を挟み、作業時間を区切る
時間を決めて作業を行うと、作業の最初と終了間際の2回集中力が高まります。
作業開始直後は作業効率が高く、中盤は”疲れ”や”飽き”によって作業効率が低下するものの、「もう少しで終了する」という最後の数分間は作業効率が再びアップします。
45分の作業を15分×3回に区切って制限時間を設けると、集中力アップ効果が合計6回得られ、45分ぶっ続けで作業した場合よりも作業効率が高くなります。
応用③ 締切厳守仕事術
・「いつでもいい」と言われた仕事はいつまでたっても始められない
・緊迫感や緊張感があった方がいい仕事ができる
というのは、誰もが経験的に知っています。
そのため、より早くより良い仕事をするためには、自分で締切を設定するのが効果的になるのですが、ここで1つ重要なポイントがあります。
それは”設定した締切は絶対に延ばさず厳守する”ことです。
締切を延ばすクセがついてしまうと、締切を設定してもノルアドレナリンが分泌されず、集中力アップの効果が出なくなってしまうのです。
100%締切厳守ができるようになる方法としては、”締切直後に次の予定を入れてしまう”というものがあります。
”締切日の翌日から旅行に行く”、”締切日の定時後に友人と食事に行く”など、何が何でも締切までに終わらせないといけない状況をつくることで、ノルアドレナリンが分泌され集中力が高まります。
まとめ
『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』について紹介してきました。
この記事で紹介した内容以外にも、本書には時間を生み出すためのノウハウが多く紹介されています。
この記事で紹介した内容についてもっと詳しく知りたい方や、この記事で紹介しなかった内容について知りたいという方は、ぜひ本書『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』を読んでみてください。
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