「疲れがたまっているのか、日中体がだるい」
「いくら寝ても、起きると体が重い」
「昔と比べて、疲れやすくなった」
「最近、疲れがとれない」
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
現代社会で、疲労を感じずに過ごしている人はほとんどいません。
しかし、「忙しいから」「若くないから」といった理由で、疲れない毎日をあきらめる必要はありません。
正しいステップを踏めば、疲労は防げます。また、疲労回復の効率を上げることも可能です。
では、具体的にどんなことをすれば良いのか…それは書籍『スタンフォード式 疲れない体』にまとめられています。
この記事では、『スタンフォード式 疲れない体』の内容から、”疲労の予防・解消の方法”について紹介します。
『スタンフォード式 疲れない体』の概要
書籍タイトル | スタンフォード式 疲れない体 |
著者 | 青木厚 |
発売日 | 2018年5月25日 |
出版社 | サンマーク出版 |
ページ数 | 254ページ |
価格 | 1300円(単行本、2024年6月8日時点Amazon価格) 1485円(Kindle版、2024年6月8日時点) |
本書には、
・世界トップレベルのスタンフォード大学の”科学的知見”
・スタンフォード大学のスポーツ医局が実践している”最新のリカバリー法”
この2つを軸に組み立てた”疲労予防”と”疲労回復”のメソッドがまとめられています。
『スタンフォード式 疲れない体』を読めば、”疲れにくい体のつくり方”や”効率良く疲労を解消する方法”に関する知識を得ることができます。
プロローグ
全米最強のスポーツ医局が明かす「疲れない体」の作り方
◆「世界最高峰の知識×全米No.1チームの回復法」という極上メソッド
◆「アメリカの五輪メダル」の22%は、スタンフォードが獲得していた
◆”23年連続全米総合1位”の裏にある「絶対回復マニュアル」
◆全米No.1チームの「総合的回復」を担った16年間
◆金メダリスト、全米記録保持者…世界的プレーヤーはどう回復しているのか?
◆超人たちが実践する「再現可能な回復プロセス」を初公開
◆科学が「いい!」とした方法で「疲れない体」を実現する
◆「根拠なき回復法」に意味はない
◆常時「100%に近い実力」を発揮する疲労対策プラン
0章 スタンフォードで突き止めた「疲労発生」のメカニズム
―なぜ人は疲れるのか…知られざる「疲弊する仕組み」
スタンフォードスポーツ医局が定義する「疲労の正体」
◆「医学的に有効」なやり方で始める
◆「疲労=乳酸の蓄積」神話の誤解
◆疲れたければこうしよう!―無尽蔵のスタミナも”一晩”で空っぽに
◆「脳震盪」状態で仕事していた!?
◆結局、何が疲れを引き起こすのか? スポーツ医学・最新の理論
◆こうして「人体の司令塔」が”自動的”に疲弊する
◆体力がありそうに見える「マッチョ」の本音
疲れでパフォーマンスが激落する恐ろしい実態
◆「練習しすぎて負けた」バスケットボールチーム
◆「疲れ」は決して、”感覚的な問題”ではない
◆「脈拍が落ち着かない」水泳選手の困惑
◆「もうひとふんばり」が仇になる瞬間
◆「早いイニングで球速が落ちる」先発ピッチャーの苦悩
「疲れた体」判定が下る4条件チェック
◆「自分の疲労」を客観視する4バロメーター
①「脈」がいつもと違う
②「いろいろな時間」に寝ている
③「腰」が痛い
④「呼吸する場所」を間違えている
自分を変える「疲労ゼロ」プログラム
◆金メダリストを破った選手が語る「疲労ゼロ」効果
◆「予防医学」方式で疲労に手を打つ
1章 世界最新の疲労予防「IAP」メソッド
―「体内圧力」を高めてダメージを完璧にブロックする
スタンフォードスポーツ医局が取り組む「疲労対策」
◆競技の壁を越えた回復理論「IAP」
◆お腹を「へこませず」に息を吐く
◆人体の構造上、「お腹を膨らませる」と疲れにくい
◆高IAPで体が「無駄なエネルギー」を使わなくなる
◆「肺の下の筋肉」を動かす
◆「横隔膜の可動力」がきわめて重要
◆実践!ボディ・バランスを整える「IAP呼吸法」
◆1日3万回、疲れることをするか、疲れないことをするか
「体のコントロール」を正して疲労をブロックする
◆「もっと効率よく」体を使う
◆”1万2000メートル”泳いでも疲れにくくなった
◆脳と体の「不一致」を正す
◆「疲れない循環」を体内に起こそう
収縮筋を伸ばして「本来の疲れない姿」を取り戻す
◆「背が高い人」「低い人」疲れにくいのはどっち?
◆知らずに「体が縮むアプローチ」を重ねている
◆深く息を吸って腰痛になった1年生たち
◆「一生そこから動かない」なら腹をへこませて!
「細胞レベル」で疲労に強い体になる
◆スポーツ医学が「パラドックス」とする”ゆゆしき事態”
◆「15秒のタイムアウト」を取る
◆体内高圧力で寝ると「睡眠回復率」が上がる
◆悪い酸素―細胞が「鈍化」する
◆良い酸素―「細胞の自己回復力」がパワーアップする
◆「IAP」が現時点で最新・最強の予防理論だ
2章 疲れを持ち越さない 究極のリカバリー法
―「最高の回復」で脳と体から疲労物質を即時除去
疲労の解消にフォーカスした「究極の対症療法」
◆世界有数の疲労大国・日本
◆「休日の数」と「疲労度」の皮肉な関係
◆「休憩」は疲れの”根本解決”にならない
疲労をリセットする「動的リカバリー」メソッド
◆「伸び」をしても疲れは抜けない
◆「疲れ癖」が体に定着している?
◆取り除くべきは「体の変な癖」
◆「動かない1日」が疲れを助長する
◆世界的研究者も「動的コンディショニング」を提唱している
◆体を「2回」リセットする
◆ボディ・ポジションが整う「ビフォーリセット」
◆縮んだ筋肉をゆるめる「アフターリセット」
肩こり・腰痛・目の疲れ…部分疲れを即、解消する「超・対症療法」
◆「座り疲労」という日本人特有の疲れ
◆「座りすぎ」があなたを殺す
◆デスクワーク疲れを取る「3レッグス」メソッド
◆肩こりに即効く「肩甲骨ムービング」
◆「腰痛」は”体内の圧力”を高めて解消する
◆眼精疲労を30秒で取り除く「目の筋膜リリース」
アスリートが実践するダメージ療法「アイス・ヒート」メソッド
◆スタンフォードのダメージ対処「冷温」マニュアル
◆体の調節機能に即した「48時間回復法」
◆「冷凍グリーンピース」で即回復
超リカバリー法「回復浴」の効果を徹底検証!
◆スタンフォード式「回復浴」とは?
◆「12分」までに終える
◆現エビデンスでは「シャワー×半身浴」が”最適”とされる
◆日常レベルで完全再現!「スタンフォード式 スーパー回復浴」
究極の修復レベルで眠る「睡眠回復術」
◆「ただ寝るだけ」を「極上の回復時間」にする
◆眠らないと「スタミナホルモン」が1.5割減る
◆ロジャー・フェデラーとウサイン・ボルトの「睡眠時間」とは?
◆超人のように眠る―「睡眠4原則」
◆「パワーナップ信仰」から卒業しよう
◆「量の確保は最低限」と思わざるを得ない”未公開データ”
3章 抗疲労体質になる一流の食事術
―「体内に入れるもの」であなたの回復力は変わる
スタンフォードのニュートリション・メソッド
◆食事で「体のジャンル」が変わる
◆あなたの体を「完全鉄壁」にする
強靭なアスリートの肉体を支える「朝の食事術」
◆「ビタミン」と「タンパク質」をマストに摂る
◆「朝食抜き」は三食中一番”やばい”
◆「その日のエネルギー」をチャージできるのは朝食だけ
◆朝食は「時間」を固定する
◆「レギュラー」を食べる
◆「チーズ」は”熱処理”していないものを選ぶ
「1日3食」だから疲れているかもしれない
◆「お腹いっぱい」になると疲れる
◆ただし、”空腹”は避けて―「食べる回数」を増やす
再起動のために取るべき「食材」「栄養」「量」はこれだ!
◆”タンパク質”と”炭水化物”は「具の多い牛丼」のイメージで摂る
◆「果物間食」でビタミンを高速チャージ
◆世界で話題の回復食材「トリ胸肉」
◆「茶色い炭水化物」の栄養素は白米の8倍にもなる
◆野菜は「昼時の摂取量」をMAXに
◆手を加えるほど「あらゆる栄養」が抜ける
疲れないアスリートが絶対口にしない「禁断の疲労食」
◆「毒」は「クスリ」より早くまわる
◆「この味の朝食」は避ける
◆「お菓子」を食べると”体内のビタミン”がなくなる
◆もっと「単純」に考える
疲労回復を阻害する「飲み物」の実害
◆「砂糖10杯分」の糖が「1本のペットボトル」に入っている
◆水以外は「1杯まで」にする
◆「お酒:水=1:1」の飲み方でダメージを最小に
◆「エナジードリンク」は科学界でも賛否両論
◆「飲みすぎて死亡」したケースも
4章 スタンフォード式ハードワーク・メソッド
―働いても、働いても、ダメージを最小化する方法
超ハードワーカーのための「疲れない覚醒戦略」
◆「ダメージを縮小」しながらフルに働く
◆毎秒疲れるor毎秒疲れない
◆人体のあるべき姿を説いた「X理論」
◆「Xが歪む」とたちまちぐったりする
◆「耳」と「肩」を一直線にする
スタンフォード式 疲れない日常動作
◆疲れない「立ち方」
◆疲れない「座り方」
◆「脚部の解毒装置」を30分おきにオンにする
◆疲れない「歩き方」
◆”通勤疲労”を最小にする「つり革の持ち方」
◆スマホは「細切れ」で見ると疲労感・減
◆疲れない「収納術」
◆疲れない「物の持ち上げ方」
◆もっと「水」を摂ろう―不足すると細胞・脳・筋肉、すべてがまずいことに
スタンフォード式 疲れないマインドセット
◆スタンフォードの回復心理学
◆小さな子どもが「いつも元気」なのはなぜ?
◆”万全”でなくてもパフォーマンスを激変させる
◆ドゥエック教授が語った「yet」の効能
◆「最短の回復計画」を回す
◆超人にも「限界」がある
◆疲れない体が「燃え尽きない働き方」を約束する
エピローグ ”再起動”を完遂して「最強の自分」になる
主要参考資料
要約①:疲労の予防法
ここでは、『スタンフォード式 疲れない体』にまとめられている”疲労の予防法”を2つ紹介します。
疲労の予防法(1):IAP呼吸法
私たちは1日に、およそ2万~3万回呼吸をしているため、その呼吸を疲れないものにすれば疲労の度合いは大きく変わります。
そして、疲労を予防する呼吸法として本書で紹介されていたのが”IAP呼吸法”です。
本書では”腹圧呼吸”とも呼ばれていました。
お腹を膨らませて息を吸い、息を吐くときにお腹をへこませる”腹式呼吸”は知っているけど、”IAP呼吸法”や”腹圧呼吸”という言葉は聞いたことがない人が多いんじゃないかと思います。
IAP呼吸法は、息を吸うときにお腹を膨らませるのは腹式呼吸と同じですが、息を吐くときにお腹をへこませないようにするのが特徴です。
息を吸うときも吐くときもお腹をへこませないことで、お腹の中に圧力がかかっている状態を維持できます。
お腹の中の圧力が高まることで、体の軸が安定し、正しい姿勢を自然とキープでき、余計な負荷が減ります。
体への負荷が減れば、当然疲労を予防することができますので、ぜひIAP呼吸法を試してみてください。
疲労の予防法(2):ビタミンとタンパク質の摂取
食事は内蔵、つまり胃腸の疲れに何より影響します。
もちろん、筋肉や脳とも切り離せない関係にあるため、食事に気をつけるのはとても大切です。
疲労を溜めないために特に大切な栄養素は、”ビタミン”と”タンパク質”です。
これらが摂れる野菜や果物、肉、魚などを食べると良いと思います。
要約②:疲労の解消法
疲労の予防法を徹底的に実施したとしても、まったく疲れなくなるというわけにはいきません。
そのため、”疲労をどうやって効率的に取り除くか”も大事になります。
ここでは、『スタンフォード式 疲れない体』にまとめられている”疲労の解消法”を5つ紹介します。
疲労の解消法(1):軽い有酸素運動
「疲れているときに体を動かすなんてありえない」と思うかもしれません。
しかし、疲れているときこそあえて運動をしたほうが、翌日に疲労を持ち越さずに済みます。
「ゆっくり走る」「泳ぐ」といった軽い有酸素運動を20~30分することで、血液の流れが促進されて脳と筋肉にたくさんの酸素をおくることができます。
その結果、疲労物質の滞留を防ぐことができ、翌日に疲れを持ち越さずに済みます。
疲れている日こそ運動をしましょう!
疲労の解消法(2):30分に1回は立つ
日本の成人が座っている時間は世界一で、平均して1日に7時間です。
座ってばかりいると血流が悪くなり、疲労物質が蓄積します。
それどころか、代謝も悪くなり、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病のリスクも高まります。
さらに、仕事の生産性にも悪影響があり、3時間以上座っていると記憶力が低下し、注意散漫になります。
長い時間座りっぱなしでいても何も良いことはないので、定期的に意識して立ち上がるようにしましょう。
理想は30分に1回は立ち上がることです。
疲労の解消法(3):肩甲骨を動かす
肩こりに悩まされている人はとても多く、自分でもんだり、たたいたりする人もいるでしょう。
しかし、肩こりに悩む人がアプローチするべきなのは、肩周りではなく肩甲骨です。
パソコン作業などをしていて常に前かがみになっていると、肩甲骨が開き、それに引っ張られるかたちで肩周りの筋肉が緊張した状態が続きます。
そのため、開いてしまった肩甲骨を寄せることが、肩こりの解消につながります。
肩に手を置いて、肩甲骨を内側に寄せるように肩を回す体操をすると効果的です(下イラスト参照)。
疲労の解消法(4):交互浴
交互浴とは”冷水と温水”に交互に浸かる入浴法”です。
サウナと水風呂に交互に入るのも交互浴になります。
交互浴をすることで、”血管の拡張と収縮が繰り返され、血流が良くなる”、”自律神経のバランスが整い、リラックスできる”という2つの効果があります。
血流が良くなれば疲労物質が溜まりにくくなり、リラックスすることでストレスによる”脳の疲れ”が軽減されます。
自宅で交互浴を行う際は、バスタブにお湯を溜めて、冷水はシャワーを利用するのが良いです。
私自身、この本を読んでから交互浴を始め、「体がラクになる」と実感し、すっかりハマってしまいました。
1つ注意点として、交互浴は水分を多く消費します。
脱水症状にならないように、交互浴の実施前と終了後にきちんと水分をとるようにしましょう。
疲労の解消法(5):睡眠
睡眠は疲労の解消に欠かせない生活習慣です。
1日5時間睡眠を1週間続けると、筋肉増強や疲労回復に影響する”テストステロン”というホルモンの分泌量が、10~15%減少するという報告があります。
しっかりと疲れをとるためには、1日に7時間以上眠るのが理想です。
ただ、睡眠時間を確保するのは疲労回復に最低限必要なことで、”睡眠の質”も重要です。
7時間以上眠っても、睡眠の質が悪ければ疲れが残ってしまいます。
質の高い睡眠に関しては、下の記事で紹介しているので、興味があればご覧ください。
まとめ
『スタンフォード式 疲れない体』について紹介してきました。
ポイントを以下にまとめておきます。
疲労の予防
・お腹の中の圧力を高く保つIAP呼吸法で正しい姿勢をキープする
・ビタミンとタンパク質を意識的に摂取する
疲労の解消
・軽い有酸素運動を行い、疲労物質が溜まらないようにする
・座って作業をしているときは、できれば30分に1回立ち上がる
・肩こりを解消するには、開いてしまった肩甲骨を寄せる
・冷水と温水に交互に浸かる交互浴には、疲労解消の効果がある
・最低でも1日7時間は睡眠をとり、睡眠の質も高くする。
健康に生活していくために、疲れ対策はとても大切です。
疲労が原因で倒れてしまったり、病気になってしまったら大変です。
そうならないためにも、疲労を予防することと、疲労を解消することは行ったほうが良いでしょう。
『スタンフォード式 疲れない体』には、この記事で紹介したこと以外にも、疲労の予防・解消に役立つ情報がたくさん載っています。
あなたも疲労に関して悩んでいるならば、本書を1度読んでみてはいかがでしょうか。
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