【書籍要約】『スタンフォード式 最高の睡眠』/ ポイントは”眠り始めの90分”!

健康
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あなたは自分の睡眠習慣についてどう思っていますか?

「夜なかなか寝付けない」
「日中眠たい」
「頭がぼーっとする」
「朝起きるのがつらい」

といった睡眠ストレスを、あなたは抱えてはいないでしょうか?

このような睡眠ストレスを抱えている人の多くは、「もっと眠らなければ」と、ついつい量の確保を意識してしまいますが、忙しい現代人にとって、今以上の睡眠量の確保は難しいのが実状でしょう。

また、睡眠に関する結論として、

・睡眠にまつわる悩みもストレスも、”量の確保”では解決しない。
・たくさん眠ったところで、最高の睡眠は得られない。

ということがわかっており、睡眠の量を確保するだけでは不十分なのです。

「今以上の睡眠量の確保するのが難しいなか、頑張って量を確保しても不十分なんだったらどうすればいいんだよ…」と、きっとそう思われるでしょう。

睡眠にまつわる悩みやストレスを解消するにはどうすればいいのか…

そこで重要となるのが”睡眠の質”です。

そして、この睡眠の質は”眠り始めの90分の質”で決まるのです(90分の黄金法則)

どんなに忙しくて時間がなくても、”最初の90分”をしっかり深く眠ることができれば、最高の睡眠がとれるといっても過言ではないのです。

では、どうすれば”最初の90分”をしっかり深く眠ることができるのか、その方法は書籍『スタンフォード式 最高の睡眠』にまとめられています。

この記事では、書籍『スタンフォード式 最高の睡眠』の内容から、

・眠りと認知行動療法
・最高の睡眠とは?
・90分の黄金法則とは?
・睡眠に与えられた5つの重要な役割
・最高の睡眠を生むスイッチⅠ ”体温”
・最高の睡眠を生むスイッチⅡ ”脳”

について紹介します。


『スタンフォード式 最高の睡眠』の概要

書籍タイトルスタンフォード式 最高の睡眠
著者西野精治(にしのせいじ)
発行日2017年2月27日
出版社サンマーク出版
ページ数251ページ
価格1422円(単行本、2024年11月10日時点Amazon価格)
1336円(Kindle版、2024年11月10日時点)

著者の簡単な紹介

本書の著者は、スタンフォード大学医学部精神科教授にして、同大学睡眠生体リズム研究所(SCNラボ)所長の西野清治さんです。

西野さんの実績は下記のようになります。

西野清治さんの来歴

・1987年、大阪医科大学大学院からスタンフォード大学医学部精神科睡眠研究所に留学
 →突然眠りに落ちてしまう過眠症「ナルコレプシー」の原因究明に携わる
・1999年にイヌの家族性ナルコレプシーにおける原因遺伝子を発見
・2000年、ヒトのナルコレプシーの主たる発生メカニズムの解明
・2005年にスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所(SCNラボ)の所長に就任
・2016年4月より、一般社団法人良質睡眠研究機構の代表理事に就任
・マットレス「エアウィーヴ」の開発研究に携わった

本書の内容

著者の西野清治さんがスタンフォード大学で30年近く睡眠を研究して得た知識を軸に、”睡眠を最高にする方法”がまとめられている一冊が『スタンフォード式 最高の睡眠』です。

本書から学べる内容としては、

・睡眠中に体や脳に何が起こっているのか
・ヒトが眠くなるメカニズム
・睡眠の質を高めるために何をするべきか
・睡魔との付き合い方

などです。

特に”眠り始めの90分”の睡眠の質を高めることに焦点を当てているのが特徴になります。

本書を読めば、睡眠に関する知識を得られるとともに、あなたの睡眠の質向上につながるでしょう。


プロローグ 「ぐっすり」を追求した究極のスタンフォードメソッド
 ■世界一の睡眠研究所はスタンフォードにある
 ■「たくさん寝る」はベストな眠りか
 ■「最強の覚醒」をつくる睡眠、「最高の睡眠」をつくる覚醒
 ■スタンフォードで見つけた「睡眠の法則」
 ■眠りが「最強の味方」になる人、「最恐の敵」になる人

0章 「よく寝る」だけでパフォーマンスは上がらない
知らぬ間にはまる「眠りの借金地獄」
 ■「眠りの借金」は借りていなくてもたまる
 ■飲酒運転より危険な「脳の居眠り」
 ■世界一「睡眠偏差値」が低い国・日本
 「理想の睡眠時間」は遺伝子で決まる
 ■2か月眠らない動物がいた!
 ■人は眠らないとどうなる?
 ■ナポレオンの子はナポレオン!?「ショートスリーパー」は遺伝だった!
 ■「寝だめしたい」は脳からのSOSサイン
 ■「眠りの借金」が寿命を縮める
 ■眠らない女性はどんどん太る
 ■バスケットボール選手のシュート力はなぜ劇的に上がったのか
「たっぷりの睡眠」でも脳は不満足
 ■「眠りの返済」は難しい
 ■週末の寝だめは効果があるのか?
「黄金の90分」で最高の脳と体をつくり上げる
 ■世界のエグゼクティブは始めている「睡眠メンテナンス」
 ■「最初の90分」を深くせよ!
 ■寝始めがつくる「最強ホルモン」
 ■「Better than nothing」の法則

1章 なぜ人は「人生の3分の1」も眠るのか
世界のエグゼクティブが大事にする「眠りの共通点」
 ■トップアスリートほど「眠りへのこだわり」が強かった!
 ■「睡眠ジャンク」から脱出するには
 ■知識が脳に眠りをもたらす
睡眠に課せられた「5つにミッション」
 ■真夜中、脳と体では何が起きているのか?
 ■睡眠ミッション①脳と体に「休息」を与える
 ■睡眠ミッション②「記憶」を整理して定着させる
 ■睡眠ミッション③「ホルモンバランス」を調整する
 ■睡眠ミッション④「免疫力」を上げて病気を遠ざける
 ■睡眠ミッション⑤「脳の老廃物」をとる
 ■「寝る前の目薬」で目は良くなる?
睡眠の終着駅「夢」の不思議
 ■夢はたくさん見た方が良かった!
 ■「見たい夢」は見られるのか?
眠りの質が「覚醒レベル」をこう決める
 ■「睡眠不満足者」はこんなに損している!
 ■あなたの「眠りの質」はどうすればわかる?
 ■「致死率40%」なのに身近な睡眠障害
 ■いびきは「歯の悲鳴」?
 ■世界的研究を変えた「睡眠力革命」

2章 夜に秘められた「黄金の90分」の法則
「8時間寝たのに眠い人」と「6時間寝てすっきりした人」
 ■なぜ「ウォッカを飲むオペラ歌手」は歌がうまいのか?
 ■目を閉じるとやってくる「スリープサイクル」
 ■レムとノンレムは90分周期じゃなかった!?
最初の90分が「黄金」になる3大メリット
 ■メリット①寝ているだけで「自律神経」が整う
 ■メリット②「グロースホルモン」が分泌する
 ■メリット③「脳のコンディション」が良くなる
少数精鋭の「睡眠部隊」を味方につける
 ■「どうしても資料をつくらないと…..」な夜の過ごし方
 ■なぜ年をとると眠れないのか?
「体温」と「脳」に眠りスイッチがある
 ■こうすれば、すぐに・ぐっすり眠れる!
 ■赤ん坊も知っている「体温のスイッチ」
 ■頭が睡眠モードに切り替わる「脳のスイッチ」

3章 スタンフォード式 最高の睡眠法
体温と脳が「最高の睡眠」を生む
 ■「よく眠れる人」と「眠れない人」の差はわずか2分
 ■なぜメジャーリーグは「体温」に注目するのか
 ■「会議室での遭難者」
 ■体温は「上げて・下げて・縮める」
睡眠クオリティを上げる3つの「体温スイッチ」
 ■体温スイッチ①就寝90分前の入浴
 ■すぐ寝るときは「シャワー」がベスト
 ■〇〇風呂ならさらに効果アップ!?
 ■体温スイッチ②足湯に秘められた脅威の「熱放散力」
 ■靴下を履くと眠気が逃げる?
 ■体温スイッチ③体温効果を上げる「室温コンディショニング」
 ■「そば殻枕」で頭を冷やせ!
入眠をパターン化する「脳のスイッチ」
 ■枕が変わったネズミは眠れない?
 ■「眠りの天才」は頭を使わない
 ■脳のスイッチ①「モノトナス」の法則
 ■「脳の関所」はこう突破せよ!
 ■脳のスイッチ②正しい羊の数え方
 ■逆スイッチ「貧乏揺すり」をすると眠れない?
脳にも「寝たくないとき」がある?
 ■そもそも、なぜ、眠くなるのか
 ■スタンフォードの睡眠実験「1日がもし90分だったら」
 ■「寝る直前」は眠くない?
 ■「明日早い!」ときの秘策はこれ!
 ■「眠りの定時」を厳守しよう!
 ■光は「味方」しだいで毒にも薬にもなる
 ■最高のパフォーマンスをつくる「覚醒のスイッチ」

4章 超究極! 熟眠をもたらすスタンフォード覚醒戦略
「どう起きているか」でぐっすりか否かが決まる
 ■睡眠と覚醒は表裏一体である
 ■「ぐっすり寝る人」は朝から違う
 ■スタンフォードが見つけた「覚醒のスイッチ」
 ■覚醒のスイッチ①光
 ■覚醒のスイッチ②体温
睡眠レベルをさらに高める「スタンフォード覚醒戦略」
 ■覚醒戦略①アラームは「2つの時間」でセットする
 ■覚醒戦略②「眠りへの誘惑物質」を断捨離する
 ■覚醒戦略③「裸足朝活」で覚醒ステージを上げる
 ■覚醒戦略④「ハンドウォッシュ」メソッドで目を覚ます
 ■覚醒戦略⑤「咀嚼力」で眠りと記憶を強化する
 ■覚醒戦略⑥とにかく「汗だく」を避ける
 ■覚醒戦略⑦「テイクアウト・コーヒー」で「カフェイン以上」を取り込む
 ■覚醒戦略⑧「大事なこと」をする時間を変える
 ■覚醒戦略⑨「夕食抜き生活」が眠りに響く
 ■覚醒戦略⑩「夜の冷やしトマト」で睡眠力アップ!
 ■覚醒戦略⑪「金の眠り」になる酒を飲む
 ■番外編 もう時差ぼけに悩まない! スタンフォード秘伝の海外出張術
 ■眠りにまつわる目の前の大きな「あの悩み」

5章 「眠気」を制する者が人生を制す
「睡魔」はあなたの敵か、味方か
 ■なぜ「夜以外」も眠たくなるのか
 ■「朝、目覚めが悪い」のはなぜ?
 ■ランチは「食べても」「抜いても」眠い?
 ■退屈な会議にやってくる「睡魔」の正体
睡魔に打ち勝つスタンフォード式「アンチスリーピング」メソッド
 ■アメリカ人が会議で眠気に襲われないわけ
 ■「覚醒ニューロン」をとことん利用する
 ■噛めば噛むほど目が覚める
 ■冷たいものを持つと眠気が逃げる?
世界のトップがやっている 超一流の仮眠術
 ■脳が劇的に回復する「眠たい」チャンスタイム
 ■超一流の「パワーナッピング」メソッド
 ■「ぐっすり昼寝」は脳にこんなに良くない!?
 ■「細切れ睡眠」ははたして有効か?
 ■ブルーマンデーを打破する「土日の睡眠法」
人生の3分の1を変えれば、残りの3分の2も動き出す
 ■睡眠にしかできない、これだけのこと
 ■「最高のギフト」を受け取るとき

エピローグ 睡眠研究の最前線「スタンフォード」で見つけたこと
 ■みんな患者予備軍?
 ■「興奮すると眠るイヌ」の発見
 ■ついにヒトでの発生源を突き止めた!
 ■スタンフォードの睡眠研究の使命

主要参考資料一覧

要約①:眠りと認知行動療法

不眠症の治療には”認知行動療法”という手法が用いられることもあり、実際に効果も確認されています。

認知行動療法の手順

①正しい知識を得て理解を深める(認知)
②得た知識をもとに実際にやってみる、試してみる(行動)

つまり、”睡眠の知識を得てから、眠りのためになる行動へと移る”ことが睡眠習慣改善の手助けになり得るということです。

この記事や、『スタンフォード式 最高の睡眠』から得た知識をもとに、実際に行動してみていただけたら幸いです。

要約②:最高の睡眠とは?

本書のタイトルにもなっている”最高の睡眠”とは具体的に何なのかについて、まずは紹介しておきます。

本書において最高の睡眠は、”脳、体、精神”を最高のコンディションに整える、”究極的に質が高まった睡眠”とされています。

睡眠中の脳と体の中では、朝起きたときにベストな状態になっているように、自律神経や脳内化学物質、ホルモンが休みなく働いています。

この睡眠中の脳と体の働きをベストなものにして”睡眠の質”を徹底的に高め、最強の覚醒をつくり出すことこそが”最高の睡眠”なのです。

睡眠と覚醒(パフォーマンス)はセットであり、最高の睡眠をとれば、仕事でも勉強でもパフォーマンスの高い一日が送れます。

一方で、単に量を求めてだらだら眠ったら調子が崩れてしまいます。

実際に、プロスポーツ選手や有名な経営者など、成果を出している人ほど睡眠の質を大切にしており、このことからも睡眠の質がパフォーマンスに大きく影響を与えることが容易に想像できるかと思います。

要約③:90分の黄金法則とは?

質のいい睡眠をとるにはどうすればいいのか、そのカギとなるのが冒頭でも少し触れた”90分の黄金法則”です。

レム・ノンレム睡眠の周期にかかわらず、睡眠の質は、眠り始めの90分で決まります。

”最初の90分”の質が良ければ、残りの睡眠もそれに引っ張られて良質になります。

これが”90分の黄金法則”です。

逆に、最初の90分の質が悪いと残りの睡眠の質も総崩れとなり、どれだけ長く寝ても自律神経は乱れ、日中の活動を支えるホルモンの分泌にも狂いが生じてしまいます。

そのため、どんなに忙しくて時間がなくても、”最初の90分”の質を高めて深く眠ることが、日中のパフォーマンスを上げるためには重要なのです。

要約④:睡眠に与えられた5つの重要な役割

ここでは、”睡眠に与えられた5つの重要な役割”について紹介していきます。

眠っている間に脳と体で何が起きているかを知ることで、睡眠の重要性を理解し、睡眠習慣改善の手助けにもなるかと思います。

ここでは簡単な紹介に留めますが、『スタンフォード式 最高の睡眠』には、睡眠の役割についてより詳しく記載されていますので、気になる方はぜひ一読してみてください。

睡眠の役割1:脳と体に休息を与える

人間には休息が必要不可欠です。
24時間365日、常に活動し続けることはどんな超人であっても不可能です。
睡眠中の脳と体は”100%電源オフ”ではないものの、まさしく”スリープモード”になっており、休息として大きな役割を果たします。

睡眠の役割2:記憶を整理して定着させる

睡眠と記憶については、複数の学者の報告から、次のような概念が提唱されています。

・レム睡眠中、エピソード記憶(いつどこで、何をしたか)が固定される
・黄金の90分でのノンレム睡眠は、イヤな記憶を消去する
・黄金の90分でのノンレム睡眠中に、海馬から大脳皮質に情報が移動し、記憶が保存される
・入眠初期や明け方の浅いノンレム睡眠では、体で覚える記憶が固定される

ちなみに、”睡眠中に音声を聞くことで学習する”という意味合いでの睡眠学習は、その効果に何の証拠もないジャンク情報です。

睡眠の役割3:ホルモンバランスを調製する

睡眠時には多くのホルモンが働いており、ホルモンは生活習慣病とも密接に関わりがあるため、良い眠りは生活習慣病の予防・改善にもつながります。

特にグロースホルモン(成長ホルモン)やプロラクチンは、黄金の90分に多く分泌されます。

グロースホルモン(成長ホルモン)
大人の場合、このホルモンのおかげで筋肉や骨は強くなり、代謝が正常化される。

プロラクチン
生殖や母性行動に関与する

睡眠の役割4:免疫力を上げて病気を遠ざける

免疫はホルモンと連動していて、睡眠との関係も深いです。

睡眠が不適切になると、ホルモンバランスが崩れ、免疫の働きもおかしくなってしまいます。

免疫システムが正常に機能しなくなると、インフルエンザワクチン接種の効果が出なかったり、アレルギーが悪化するなどの危険もあります。

睡眠の役割5:脳の老廃物をとる

腸や膀胱にたまった便や尿が排出されるのと同様に、脳でもたまった老廃物の排出が行われています。

この脳の老廃物は神経細胞が活発である覚醒時にたまり、きちんと排出されないと、アルツハイマーなどの疾患の引き金となってしまう恐れもあります。

日中の覚醒時にも”たまった老廃物の除去”は行われていますが、老廃物が生成されてもいるので、覚醒時だけでは除去が追いつきません。

そのため、脳がスリープモードになっている睡眠中のメンテナンスが必要なのです。

要約⑤:最高の睡眠を生むスイッチⅠ ”体温”

ここでは、睡眠の質を高め、最高の睡眠とするためのスイッチとなる”体温”について紹介していきます。

スムーズな入眠のためのカギは”皮膚温度”と”深部体温”の差

質の良い眠りでは体温が下がります。この体温の低下が睡眠には欠かせません。

健康な人の場合、入眠前には手足の温度(皮膚温度)が上がって熱を放散し、体内部の温度(深部体温)を下げています。

これにより、覚醒時には通常2℃程度ある深部体温と皮膚温度の差が、入眠前には2℃以下に縮まっています。

つまり、スムーズな入眠には皮膚温度と深部体温の差を縮めることが重要であり、この体温の変化を助けてあげることで入眠しやすくなります。

睡眠の質を上げる3つの”体温スイッチ”

ここでは、皮膚温度と深部体温の差を縮めるための方法を3つ紹介します。

体温スイッチ1:就寝90分前の入浴

深部体温はそう簡単に変動しないのですが、入浴はその深部体温をも動かす強力なスイッチです。

深部体温には上がった分だけ大きく下がろうとする性質があります。

入浴により深部体温を意図的に上げれば、入眠時に必要な”深部体温の下降”が大きくなり、熟眠につながるのです。

ちなみに、40℃のお風呂に15分入ったあとの深部体温は約0.5℃上がっており、上がった深部体温が元に戻るまでに90分程かかります。

その後、入浴前よりも深部体温が下がっていきます。

つまり、皮膚温度と深部体温の差が縮まるのは入浴後90分たってからになります。

すぐに寝る必要があるときは、深部体温が上がりすぎないように、ぬるい入浴かシャワーですませるなど、状況に応じて入浴方法を変えられるとベストです。

体温スイッチ2:足湯

体温を調整するための熱放散の主役は、表面積が大きくて毛細血管が発達している手足です。

そのため、足湯で足の血行を良くして熱放散を促せば、入浴と同等の効果があります。

入浴は主に”深部体温を上げるアプローチ”であるのに対し、足湯は”熱放散のアプローチ”になります。

ちなみに、冷え性の人の中には、靴下を履いたまま寝ているという方もいるかもしれませんが、これは足からの熱放散が妨げ、眠りの質を悪くすることにもつながるので、靴下を履いたまま眠るのは避けた方が良いです。

体温スイッチ3:体温効果を上げる”室温コンディショニング”

睡眠の質を気にし始めると、寝具にもこだわりたくなってくる人は多いです。

ただ、どんなに良い寝具でも、室温を整えておかないとメリットを引き出せません。

寝室の環境による影響

・室温が高すぎると必要以上に汗をかく
 →過剰な熱放散により体温が下がりすぎて風邪をひく

・室温が低すぎると血行が悪くなる
 →熱放散が起こらず眠れなくなる

・湿度が高すぎると発汗しなくなる
 →手足からの熱放散が妨げられ眠れなくなる

本書では、”適温は個人差が激しいため、厳密に「〇〇℃が良い」とは言えない”と記載されていますが、室温は整えるべきでしょう。

書籍『睡眠こそ最強の解決策である』には、”眠りにつくのに理想的な室温は18.3℃”との記載があるため、まずは18.3℃を目安に自分にとって快適な室温を見つけてみるのがいいかもしれません。

↓↓↓『睡眠こそ最強の解決策である』の要約記事↓↓↓

要約⑥:最高の睡眠を生むスイッチⅡ ”脳”

体温が理想通りに変動しても、それだけでは眠れません。

悩み事がある、寝る直前まで仕事をしている、スマホやゲームで脳が興奮しているなどにより眠りは阻害され、睡眠の質も確保できません。

最高の睡眠のためには、脳をきちんと睡眠モードにすることが必要です。

単調な状態をつくりだす

単調な状態にすることは、眠るための脳のスイッチになります。

単調な状態だと頭を使わないため、脳は考えることをやめ、退屈して眠くなります。

あなたにも、頭を使わないような単純作業をしていて眠くなった経験があるのではないでしょうか。

その状態を意図的につくりだすことで、自らを入眠へと導くのです。

脳は”いつものパターン”を好む

「旅行先のホテルだとなかなか眠れない」、「枕が変わると眠れない」という人がたまにいます。

これは普段と違う環境に脳が反応してしまい、眠れなくなっている状態です。

この現象からわかることは、”いかにいつも通りを保つか”が、脳を睡眠モードにするためには重要であるということです。

いつも通りのベッドで、いつも通りの時間に、いつも通りのパジャマを着て、いつも通りの照明と室温で寝る、といった”睡眠ルーティン”が役立ちます。

なお、スマホをいじるなどの交感神経活動を上げるようなものは、睡眠ルーティンに入れるべきではないので、注意が必要です。

『スタンフォード式 最高の睡眠』のAmazonレビュー

Amazonの商品ページでの評価を見てみると、評価点の平均が5点満点中4.1点と高く評価されていると言えるでしょう(2024年10月20日時点)。

出典:スタンフォード式 最高の睡眠 | 西野精治 |本 | 通販 | Amazon

高評価のレビューを見てみると、
「読みやすく、かつ欲しい情報が集約されていた」
「睡眠に対する価値観が変わったのと、理解が深まった一冊だった」
といった感想が多く、本の内容や読みやすさが評価されていると感じました。

一方、低評価レビューを見てみると、
「内容が薄く、もっと簡潔にまとめられる」
「目新しい情報がなく、役に立たなかった」
などの声がありました。

まとめ

『スタンフォード式 最高の睡眠』について紹介してきました。

ポイントを以下にまとめておきます。

この記事のポイントまとめ

・”睡眠の知識を得てから、眠りのためになる行動へと移る”ことが睡眠習慣改善の手助けになり得る

・最高の睡眠をとれば、仕事でも勉強でもパフォーマンスの高い一日が送れる

・睡眠の質は、眠り始めの90分で決まる

・睡眠には5つの重要な役割がある
 ①脳と体に休息を与える
 ②記憶を整理して定着させる
 ③ホルモンバランスを調製する
 ④免疫力を上げて病気を遠ざける
 ⑤脳の老廃物をとる

・スムーズな入眠には皮膚温度と深部体温の差を縮めることが重要
 →”就寝90分前の入浴”、”足湯”、”室温調整”が効果的

・睡眠の質を高めるためには、寝る前に脳を落ち着かせる必要がある
 →”単調な状態”、”いつものパターン”で脳を睡眠モードにする

この記事で紹介した内容についてもっと詳しく知りたい方や、この記事で紹介しなかった内容について知りたいという方は、ぜひ本書『スタンフォード式 最高の睡眠』を読んでみてください。


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